吉備津神社の石垣の多くは、打ち込み接ぎと切り込み接ぎの、どちらかの組み方で組み上げられています。

 

打込接ぎは、表面に出る石の角や面をたたき、石を成型して積み上げます。

野良済みと比較すると接合部分の隙間は少なくなります。
また、より精度が高い切り込み接ぎより接合部分に隙間ができるため排水しやすくなります。

そのため急こう配の高石垣などで多く用いられます。

一方、切込接ぎは「ハツリ」と呼ばれる削りの作業を行い、さらに成型することにより極限まで隙間を無くしています。

そのため、排水などに問題が出るため、高石垣の石垣には向きません。

 

ハツリで角を出した石垣
ハツリで角を出した石垣

写真は吉備津神社にある切込接ぎの石垣です。

吉備津神社の切り込み接ぎの技術は国内でも類を見ないのもで貴重です。

写真にあるように角を組みなおしで出しておらずハツリだけで出しているようなものや、ズレ防止のため引掛り部分を組み入れるなど、想像もできない精度と技術を見ることが出来ます。

 

残念ながら吉備津神社で石垣に対しての案内表示板などがありません。

また、吉備津神社の石垣を紹介するWEBサイトも皆無に等しく、市の観光課やコンベンション協会なども取り上げてない為に知る人もいないのがもったいないです。

 

吉備津神社の石垣で貴重なのはそれだけではありません。

切込接ぎの石垣に使われている石は様々な形に加工して埋め込んであります。

「銀杏」「扇面」「宝珠」「鳥」「亀」「圓窓」「鳥」「瓢箪」「旭富士」などなど。

手間暇かけて楽しい石垣を精巧に組み上げてあります。

こちらも案内がない為、自分で探さなくてはいませんが探すのも楽しいでしょう。